棟梁

鈴木工務店は、山梨県北杜市武川町で、親方の父が創業しました。八ヶ岳と南アルプスに囲まれたこの地で、気候風土に合った木の家づくりと、地域の大工として、これまでに手がけてきた家のメンテナンスとの両輪で、仕事をさせていただいています。

鈴木直彦

棟梁

大工の技術は、父親には直接教わったことはなくて、叔父さんに教わったり、見て覚えたりして身につけてきたね。木をどう見るか、どう使うか、を現場で体得してきた。木は一本一本性質が違うから、木をどう組み合わせるかで、うまくおさまるか、あとから不具合がでてくるかが決まる。それを見抜いて、よく考える。それが大工の仕事の真髄だと思っている。

とにかく、施主家族が幸せになれるような家を作りたい。だから、家族みんなの話を聞いて、その通りにというだけでなく、その家族が将来どうなってくのか、ということまでよく考えた上で、どんな家にするか、計画していく。作ったっきりでなく、家が建ったあとでも、台風や地震のあとや、そうでなくてもたまにふらっと顔を出して、家がどうなってるか、様子を見に行って、不具合があれば、直すようにしている。それが大工としての、責任だと思っている。だから、施主との関係は、ずっと続いていくね。

もうひとつ大事にしているのは、土に還る家づくりをするということ。集成材や合板もなるべく使いたくないし、断熱材も自然系のものや再生製品を使うようにしている。環境によくないものを作りたくないというのもあるし、木が材になっても生き、呼吸できるような使い方をすることが、木を活かすことだと思うからね。こういう家づくりは時間がかかるけれど、一生に一度、いや、子どもの世代まで残るものだから、あせらず、丁寧にしたいよね。